Google広告では、スマート自動入札戦略という自動調整機能があります。この自動調整の機能は、日々精度が向上しており、今では広告運用の改善には欠かせない仕組みとなっています。

目標コンバージョン単価制》はそのスマート自動入札戦略の1つとなり、コンバージョン単価(CPA)が運用上のKPIである場合に極めて有効な、入札戦略といえます。

「自動調整機能って昔に導入したけど、効果が悪かったから・・・」
「自動調整の仕組みがわからなくて不安・・・」
「CPAを下げたいけど・・・手動入札に絶対的な自信がある!」

なんて方は、是非、今の自動入札機能について知ってみてください。
きっとあなたも《目標コンバージョン単価制》の入札戦略を使ってみたくなるかと思います。

【目次】

  1. スマート自動入札機能とはどのような機能なのか
    • スマート自動入札機能で用いられるユーザーのシグナル
  2. 目標コンバージョン単価制で調整する際の考え方
  3. 目標コンバージョン単価とその他の調整項目
    • デバイス単位の調整比率
    • 広告グループ単位の目標単価
  4. 目標コンバージョン単価とコンバージョン数最大化
  5. まとめ

①スマート自動入札機能とはどのような機能なのか

スマート自動入札機能は、Google広告が提供する自動入札機能です。

何が「スマート」なのかというと、機械学習を活用して、CPA目標やROAS目標など、そのキャンペーンの目的に合わせて、オークション毎に自動で入札単価を調整してくれるということです。

これまでの、手動での入札の場合、ユーザーが検索する検索語句や、デバイス、時間帯、など機械的なデータに基づく一律な調整しかできませんでしたが、スマート自動入札機能を活用すれば、より個々のユーザー単位で調整することが可能になります。

個々のユーザー単位での調整を可能とするための識別情報は《シグナル》と呼ばれています。

スマート自動入札機能では、個々のユーザーのシグナルを機械学習で読み解き、オークション毎に最適な入札価格になるよう調整してくれているのです。

Google広告の手動入札とスマート自動入札の比較図

◆スマート自動入札機能で用いられるユーザーのシグナル

スマート自動入札機能では、手動入札では調整することのできなった、ユーザーのシグナルに対しても調整することが可能です。

スマート自動入札機能で用いられているユーザーのシグナルには下記のようなものがあります。

・デバイス
・所在地
・時間帯
・ユーザーの属性(性別、年齢など)
・実際の検索語句(検索クエリ)
・OSとブラウザ
など

デバイス、所在地、時間帯、ユーザーの属性に関しては、従来の手動での調整も可能でしたが、スマート自動入札ではこれらのシグナルを掛け合わせて総合的に判断され、コンバージョンの可能性が高いと判断された場合は、通常よりも強めに入札を調整することが出来ます。逆に、コンバージョンの可能性が低いと判断された場合は、入札の調整が弱められます。

また、スマート自動入札機能ではユーザーの実際の検索語句単位でも入札が調整されます。これは従来の手動の入札調整では調整することが出来ないため、スマート自動入札を導入することにより、利用できる機能の1つとなっています。検索語句単位で入札調整をすることにより、コンバージョンの可能性が高い検索語句に対して効果的に配信することが可能となります。

手動での調整の場合、そのセグメントに対して一律の調整がされてしまいますが、スマート自動入札機能では、オークションごとにユーザーのシグナルが分析され、オークションごとにリアルタイムで入札を最適化するように調整がされています。

②目標コンバージョン単価制で調整する際の考え方

コンバージョン単価(CPA)とは、1件あたりのコンバージョンに対する広告費ということです。

例えば、

1,000,000円の広告費で20件のコンバージョンを獲得すればCPAは50,000円
1,800,000円の広告費で30件のコンバージョンを獲得すればCPAは60,000円

ということになります。

目標コンバージョン単価制では、基本的にこの仕組みのみで運用を調整します。

設定される目標コンバージョン単価が高ければ、より積極的な配信をするのでコンバージョン数を増やすことができますが、広告費も増加します。逆に、目標コンバージョン単価が低ければ、あまり積極的に配信をしないため広告費を下げることができますが、その分コンバージョン数も減ってしまいます。

目標コンバージョン単価制では、自社のビジネスモデルに合った目標コンバージョン単価を設定する必要があります。その値を基準にしながら、より積極的に配信量を増やしていきたいのであれば、目標コンバージョン単価を上げていき、あまり積極的に配信したくないのであれば、目標コンバージョン単価を下げるように調整していくとよいでしょう。

また、目標コンバージョン単価制では機械学習を活用しています。ある一定の期間は機械に学習をさせるための期間が必要になりますので、あまり頻繁に目標コンバージョン単価を変更しないようにしましょう。変更する頻度が多すぎると、機械の学習が進まず、運用効果をかえって悪化させてしまうことにもなりますので注意が必要です。

③目標コンバージョン単価とその他の調整項目

目標コンバージョン単価制では、キャンペーン単位で目標コンバージョン単価を設定するだけで運用することができますが、そのほかの調整項目を使用することもできます。

◆デバイス単位の調整比率

目標コンバージョン単価制を選択した場合でも、デバイスの調整比率を調整することができます。

例えば、デバイス別でのコンバージョンの傾向を分析した際に、PCでのCPAが高くなってしまい、スマートフォンでのCPAは安く推移しているので、もっと積極的に配信していきたい。このようにデバイスごとで、CPAに差があるケースはよくあります。

このような場合、デバイスごとの《入札単価調整比率》を変更することで、デバイスごとで配信を制限したり、拡張したりすることが可能になります。

従来の手動入札の場合、このデバイスごとの入札単価調整比率は、入札単価に対して掛け合わされていました。
例えば100円の入札単価に対して、モバイルへの入札単価調整比率を+20%に設定していた場合、
モバイル向けの入札単価は、

100円×1.2=120円

ということになります。

目標コンバージョン単価制を設定している場合は、このデバイスごとの入札単価調整比率は、目標コンバージョン単価に対して掛け合わされます。
例えば10,000円の目標コンバージョン単価に対して、モバイルへの入札単価調整比率を+20%に設定していた場合、
モバイル向けの目標コンバージョン単価は、

10,000円×1.2=12,000円

ということになります。

◆広告グループ単位の目標単価

目標コンバージョン単価制をはじめ、スマート自動入札機能を利用する場合は、できるだけ広告アカウントのキャンペーンを統合して一つのキャンペーンにまとめることが推奨されています。そのため、現在推奨されているアカウント構成では、CPAが高い広告グループも、低い広告グループも同じキャンペーン内に統合されてしまいます。

このような場合、キャンペーンのみで目標コンバージョン単価を管理してしまうと、CPAが高めでもコンバージョン数が多く積極的に配信量を増やしていきたいと思うような広告グループがあった場合、キャンペーンの目標コンバージョン単価に抑制されてしまい、コンバージョン数を伸ばせないことになってしまいます。

広告グループ単位で、目標コンバージョン単価を設定することで、それぞれのコンバージョン獲得の傾向に合わせた目標コンバージョン単価の管理が可能になります。

広告グループの目標コンバージョン単価は、キャンペーン単位の目標単価よりも優先して調整されます。

④《目標コンバージョン単価制》と《コンバージョン数最大化》

スマート自動入札機能を設定したいと思ったときに、迷ってしまいがちなのが、

目標コンバージョン単価制コンバージョン数の最大化のどちらを選ぶべきなのか。

という問題です。

この2つの、入札戦略で迷ってしまった際に判断基準となるのが
《キャンペーン予算》に《予算による制限》のアラートが出ているかどうかということです。

目標コンバージョン単価制では、その自動調整のロジックの中でキャンペーンの予算制限を考慮しないで調整をしてしまいます。その為、目標コンバージョン単価が高めに設定している場合は、積極的に配信をしてしまい、一日あたりの消化金額が早めにキャンペーン予算に達して、機会損失を発生させてしまうこともあります。

一方で、コンバージョン数の最大化では、設定されたキャンペーン予算内でコンバージョンを最大化するように調整します。この設定では、キャンペーンに設定されている予算を考慮しながら調整するため、できるだけ機会損失が発生しないように自動調整されます。

・キャンペーンに予算制限がなく、CPA目標がある場合は目標コンバージョン単価制
・キャンペーンに予算制限がある場合は、目標コンバージョン単価制

このような基準で入札戦略を選ぶとよいでしょう。

⑤まとめ

今、Google広告では、スマート自動入札機能による入札戦略が推奨されています。

そこには、Googleという膨大なデータを持った検索エンジンだからこそできる確かなロジックがあります。少し前までは、自動調整機能も手動調整機能もあまり成果に差がありませんでしたが、今では、手動調整のほうが広告オークションへの参加が不利となってしまうこともあります。

スマート自動入札機能を利用すれば、手動入札では調整することができなかった、ユーザーの検索語句や属性など、数多くのシグナルを広告オークション単位で最適化していくことが可能なのです。

特に、コンバージョン単価制を利用することで、より積極的に効率よくリスティング広告を配信できるため、CPA目標を意識しながら、広告を運用している運用担当者にとっては、スマート自動入札機能は欠かせない機能となっていといえるでしょう。

リスティング広告でCPAを改善していきたいと思ったら、是非このスマート自動入札機能の目標コンバージョン単価制を使ってみてください。