皆さまの中には、リスティング運用やGoogle広告のディスプレイ広告を配信したことのある方がいらっしゃるかと思います。Google広告で配信設定をしていると「広告のローテーション」という項目があるのに気づきましたでしょうか。現在ではデフォルトで「最適化」が選択されているので、ずいぶん昔から広告運用やってます!という方以外はあまり意識していないのではないでしょうか。

「広告の配信ローテーションってなに?」

「そういえば、同じ広告グループに設定している広告の表示回数が均等にならないのはなんでだろう・・・」

「配信ローテーションの最適化って、何を最適化してるの?」

なんて疑問を思った方のために、広告配信のローテーションの仕組みについてまとめさせていただきました。設定一つの些細なことですが、広告の配信ローテーションの仕組みを理解することで、広告運用のPDCAを、正しく、スピーディーに回せるようになります。是非、最後まで読んでみてください。

【目次】

  1. 広告のローテーションの設定
  2. 設定方法の違い
  3. Google広告の最適化の仕組み
  4. 「最適化」を最適にするために
  5. まとめ

①広告のローテーションの設定

Google広告の機能として導入されている広告のローテーションは、2018年8月現在で、設定可能な広告のローテーションが2パターンあります。

  • 最適化
  • 最適化しない(無期限にローテーション)
広告のローテーション:管理画面

※以前あった設定方法

  • クリック重視で最適化(デフォルト)
  • コンバージョン重視で最適化
  • 均等にローテーション
  • 無期限にローテーション

※以前から運用しているキャンペーンでこちらの設定をしたままのものは、その設定が表示上残っている場合がありますが、新規でキャンペーンを設定する場合は上の2種類のみからしか選択できません。

最適化をする」か「最適化をしない」しか選ぶものがなくなりましたので、簡単そうに見えますが、ウェブ広告を専門に扱っている代理店の方でも、この仕組みの違いを理解している方はあまり多くありません。この広告配信の最適化ローテーションの仕組みを知っておくことで、その後の広告文の改善スピードが変わってきますので、ぜひ押さえておいてほしいポイントです。

それでは、「最適化」と「無期限ローテーション」がどういうものなのかをみていきましょう。

設定方法の違い

 それぞれの設定の詳細は下記の通りです。

最適化: Google の機械学習技術により、広告グループ内で他よりも優れた掲載結果が期待できる広告を優先的に配信します。

無期限ローテーション:各広告を均等に配信します。特に期限はなく、手動で設定が変更されるまでこの方法で配信を続けます。

◆「無期限にローテーション」とは何を均等に配信しているのか

最適化というのは、言葉のイメージ通り、効果の良いものを最適化してくれているのだろうと簡単に想像できます。むしろ、2つの違いで重要なのは「無期限にローテーション」が何を均等にローテーションしているのかです。

均等にローテーションしてくれるという言葉から、設定した広告を均等に「表示」させるように配信しているのではないかとイメージしてしまいがちです。しかし、実際に配信してみると表示回数はそれぞれのパターンで同じ数値にはなりません。これは実はGoogleのいう均等配信とは表示回数を均等に出しているのではなく、オークションへの参加を均等に出しているからです。

広告のオークションでは「入札価格」と「広告の品質」という要素で掲載順位を決定します。「入札価格」は広告主が1クリックあたりの費用として支払っても良いという金額を設定したものになります。「広告の品質」とは「どのくらいユーザーにとって有益な情報であるか」という指標になります。これは、クリック率やキーワードとの関連性など、複数の要素により決定されます。このスコアが高い方が良い広告とみなされます。

複数の広告文を均等配信しようとした場合、品質の高い広告文も、品質の低い広告文も均等にオークションに入札されます。この結果、品質の低い広告文は広告ランクが低くいので、オークションで負けることが多くなり表示回数が少なくなり、一方、品質の高いものはオークションで勝てるので表示回数も多くなるという仕組みです。

つまり、均等配信で設定した場合、品質の低い広告文がオークションに多く入札されることで、機会損失が発生するようになります。

この機会損失を最小限にするための配信が「最適化」というローテーションになります。「最適化」では広告の効果につながる広告を優先的に配信するようになっています。つまり品質の低い広告は自ずとオークションに出る機会が減るようになっているのです。

Google広告の最適化の仕組み

Google 広告の最適化では多腕バンディットという方法が採用されています。この言葉の意味はスロットマシンのプレーヤーが、現在配当が出ているマシンをプレイしながら、より高配当なマシンを探しに行くという意味合いです。ABテストをしながらでも、効果のよいものに予算を多く割り振るよう調整していくため、機会損失を最小限にしながら、より効果のよいものを探しに行くことができます。

また、予算を均等に割り振るA/Bテストよりも短期間で結果を導き出しやすいとされています。

簡単に説明するとコンバージョンの発生している広告を効果が良いとする場合、コンバージョンの発生していない広告よりも多く配信されるよう調整されます。しかしそれだけでは、効果の良いもの1パターンしか選択されなくなってしまいますので、適当なタイミングで他の広告もチャレンジしてみようと配信します。その際にCVが発生すればその広告の評価が変わり、より多く配信がされるように再調整されます。この検証が自動的に繰り返されているのが「最適化」による配信になります。

④「最適化」を最適にするために

 広告のローテーションを「最適化」に設定した場合、運用する広告文の本数は3本以上が望ましいとされています。一つの広告グループで運用している広告文の本数を確認すると1本~2本という事例をよく目にしますが、この場合、「最適化」を設定していたとしても十分な効果は得られていないかもしれません。できるだけ、3本~5本くらいを目安に継続的にローテーションさせるようにしましょう。

 また、「最適化」を設定したらそれで終わりというわけではなく、そのあとのPDCAも必要です。「最適化」の設定では効果に結び付いていない広告文は掲載がされないような仕組みですが、効果の悪い広告文をそのままローテーションの対象にしておくのは良くありません。一定の差が出てきたら、効果の悪いものは、新しく作成した広告文と差し換えて、PDCAを継続させるようにするとよいでしょう。

⑤まとめ

いかがでしたでしょうか。均等ローテーションを実施する(最適化設定をしない)ことでABテストが正しくできると考えがちですが、均等ローテーションを実施することで、品質の高くない広告文もオークションに参加してしまい、結果的に機会損失が発生してしまいます。この機会損失をマンパワーで削減するというのは現実的な方法ではありません。これからの運用は、機会損失を最小限にして、出てきた結果をどう読み解くかを考えていく必要があります。

 広告の運用では、自動化や機械化が進み、今後もますます、その流れが加速してくるでしょう。その仕組みを理解することで、同じ機械化の機能を利用していたとしても、パフォーマンスに差をつけることが出来ます。皆様も、リスティング広告を運用する際は、自動化や機械化の仕組みを理解し、積極的に活用してみてください。