あなたがもし、リスティング広告を配信したことや、ウェブマーケティングの部署で広告の担当になったことのある方でしたら、「RLSA」や「検索リマケ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

「広告代理店の担当者がRLSAって言ってるけど、なに…?」
「RLSAって本当に効果いいの?」
「どうやって検索リマケを活用すればいいんだ…」
「そもそも、なんて読むんだよ…」

なんて悩んでいる方のために、今回はRLSAの疑問にお答えできればと思います。

ちなみにですが、厳密に定義するとRLSAはGoogle広告での呼び方となり、Yahoo!スポンサードサーチではスポンサードサーチサイトリターゲティングと呼ばれています。しかしながら、その目的はGoogle広告もYahoo!スポンサードサーチも同じであるため、広告代理店のかたでもRLSAと一括りにしているケースが多いです。その為、以下ではRLSAとして紹介していくことにします。

【目次】

  1. マーケティング戦略の上でのRLSAの重要性
  2. RLSAとはどういう機能なのか
  3. RLSAを使い込む
  4. RLSAが効果的なケース
  5. RLSAが機能しないケース
  6. RLSAを配信するために必要な事―タグ設置に関して
  7. まとめ

①マーケティング戦略の上でのRLSAの重要性

現代のインターネット社会では、「検索」というユーザーの行動は非常に重要な位置を占めています。当たり前のことですが、「検索」をしている全てのユーザーが購買意欲を高く持っているわけではなく、購買意欲の低いユーザーも当然います。少しでも気になったもの、知りたいもの、比較したいもの、欲しいもの、と全てのニーズの階層で「検索」を活用して調べているのです。つまり、1つの検索キーワードの中にはあらゆる階層のニーズが混在しているということで、その商品を強く欲しているユーザーもいれば、ただ単に何だろうと興味をもって調べているユーザーもいます。

このニーズの階層は、1人のユーザーの「検索」行動の中にも存在しています。ただ単に気になって「検索」している状態から、ニーズが顕在化して「検索」している状態まで、多くのユーザーは「検索」を重ねることで、徐々に商品に対する購買意欲を高めていきます。ということは、「検索」を重ねているユーザーの方が、マーケティングのゴールに近いのではないかと考えられるのではないでしょうか。

例えば、あるユーザーが[モンブラン ケーキ]と調べていたとします。この時は、『何か美味しいケーキがないかな』といろいろなサイトを見回っていただけかもしれません。その後、やっぱりモンブランケーキが食べたくなって[モンブラン ケーキ]と再び検索したとします。この時は、モンブランケーキが食べたいので、通販サイトなどで購入する可能性が高いと考えられます。

このように、同じ[モンブラン ケーキ]というキーワードでも、それぞれの段階でユーザーの商品に対するモチベーションは全く違います。広告の出稿を考えている広告主であれば、できるだけ、モチベーションの高いユーザーに広告を出したいと考えるのは当然のことでしょう。上記の例であれば、ユーザーが検索している一度目の[モンブラン ケーキ]と二度目の[モンブラン ケーキ]で広告の配信に強弱をつけられるのであれば費用対効果を良くすることが出来るかと思います。

RLSAを活用することで、一度広告主のウェブサイトに訪れたことのある、確度の高いユーザーに絞り込んで広告配信をすることができます。RLSAを活用することはこうしたマーケティングの観点からも重要だといえるでしょう。

②RLSAとはどういう機能なのか

RLSA(アール・エル・エス・エーとそのまま読みます。)とは検索連動型広告(リスティング広告)の機能の一つで「Remarketing Lists for Search Ads」の頭文字をとったものです。検索リマケと呼ばれることもあり、その名前の通り、ディスプレイ広告におけるリマーケティング手法と同じような機能です。広告主のウェブサイトを訪れたことのある特定のユーザーが、あるキーワードを検索した際に、リスティング広告の配信を調整することができる機能になります。

⇒リマーケティングをもっと知りたい方は詳しく知りたい方はコチラを参照ください。
リマーケティング広告を正しく使うために。《リマケ広告/基礎編》

③RLSAを使い込む

・広告配信のオン・オフや入札単価を調整する

例えば、検索数の多いビックワードの場合、全てのユーザーを対象に広告を配信してしまうと、当然ながら無駄なクリックをされることも多くなり、費用対効果が悪化してしまいがちです。しかしながら、一度ウェブサイトを訪れたことのあるユーザー(広告主のことを既に知っているユーザー)にだけ絞って、広告を配信するのであれば、無駄なクリックを防ぐことができ、費用対効果を改善することが出来ます。

また、RLSAの機能には、広告の掲載を「する・しない」といったオン・オフをコントロールする機能だけでなく、キーワードの入札単価を「上げる・下げる」といった価格調整の機能もあります。この機能を用いることで、サイトを訪れたことのあるユーザーにだけ、キーワードの入札単価を上げることができるので、ユーザーの質に合わせて、広告の掲載順位をコントロールすることが出来ます。

・広告のリンク先URLを出し分ける

RLSAでは他にも、サイトを訪問したことのあるユーザーと新規のユーザーと、それぞれのユーザーに対して広告文やリンク先のURLを出し分けて配信することも可能です。例えば、ビックワードからユーザーを呼び込む場合、まずは「定番商品」や「売れ筋商品」を見てもらいたいので、広告文のリンク先に「定番・売れ筋」商品のランディングページを設定します。一方、広告主のことを知っていて、ウェブサイトに訪問したことのあるユーザーには、それらの「定番・売れ筋」商品以外の商品についても知ってもらいたいので、他の「おすすめ」商品のランディングページを設定したりします。このように、広告主について知らない一般ユーザーと、広告主のウェブサイトに訪れたことのあるユーザーとで、広告のリンク先を出し分けることで、クロスセル・アップセルへと結び付けることも出来ます。

RLSAの機能を利用して、特定のターゲットユーザーに、個別の商品を知ってもらう手法は、同じジャンルで複数のラインナップを扱っているECサイトや、複数の学部を抱えている大学などの教育機関で有効な手法といえます。

④RLSAが効果的なケース

RLSAはビックワードでもリスティング広告を掲載したいけど、予算的に難しいといった場合に効果を発揮する機能となります。特に下記のようなケースではその効果を発揮できます。

・検索ボリュームが多いキーワードで、リスティング広告を出したい場合

ユーザーが検索することの多いビックワードと呼ばれるキーワードでは、様々な階層のニーズのユーザーが検索をしているため、無駄なクリックが発生しやすく費用対効果は悪くなりがちです。何かしらの流入経路で、広告主のウェブサイトに訪れたことのあるユーザーであれば、既に広告主のことを知っている見込み客である可能性が高いといえます。RLSAを活用することで、見込み客にだけにリスティング広告を配信することが出来るため、無駄なクリックを最小限に抑えることが出来ます。

・クリック単価が高騰しているキーワードで、リスティング広告を出したい場合

商品単価が高い業界などでは、キーワードのクリック単価が高騰していることが良くあります。商品の単価が高いので、たとえ1クリックあたりの価格が高騰して、1件当たりのコンバージョン単価が高くなったとしても、そこから成約に結び付けば、利益が出せるため、広告予算が潤沢な広告主が積極的に入札してくるからです。特に金融商品や不動産業界などではこのような現象が良く見られます。

RLSAを活用すれば、このようなキーワードに対しても、リスティング広告を出すことが出来ます。全てのユーザーに広告を配信してしまうと、クリック単価が高いため費用対効果を悪くしてしまいますが、広告主のウェブサイトに訪れたことのあるユーザーに限定して配信をすることで、費用対効果を保ちながら、広告を配信することが出来ます。

・季節的なトレンドのあるキーワードで、リスティング広告を出したい場合

バレンタインの時期の[チョコレート]や、母の日の[カーネーション]、年末年始の[おせち]など、これらのキーワードの検索ボリュームには季節的なトレンドがあります。その時期が近づいてくると、ユーザーの検索数は爆発的に増加します。当然、この時期には通常の競合以外にも、他業種からの参入も多くなるため、これらの一般ワードのクリック単価は高騰してしまいます。

RLSAを活用することで、過去にサイトを訪れたことのあるユーザーにだけ絞って、リスティング広告を強化配信することが出来るため、通常に配信するよりも費用対効果を良くすることが出来ます。

⑤RLSAが機能しないケース

広告運用の効率化のためにもRLSAを使用したほうがいいのですが、業界や、広告戦略の状況によっては、そもそもRLSAがうまく機能しないケースもありますので注意が必要です。ここではRLSAがあまり効果的でない場合を紹介させていただきます。

・ウェブサイトへの流入数が不足している場合

RLSAを配信するためには、リマーケティングリストの最低ユーザー数を満たす必要があります。最低ユーザー数は、Google広告、Yahoo!スポンサードサーチともにリストが1000人以上となっています。簡単に説明すると、一か月あたりのウェブサイトへの訪問数が1000ユーザー以下のサイトではRLSAを活用できません。

※ページのURL単位でリストを作成する場合は、ページに1000人以上のユーザーを流入させる必要があります。

・検索ボリュームが少なく、競合も広告出稿をしていない場合。

検索ボリュームが少ないニッチなキーワードや、競合がリスティング広告を出稿していないキーワードなどでは、そもそもサイトを訪問したことのあるユーザーとサイトを訪問したことのないユーザーで切り分けて、キーワードの入札単価を調整するメリットがありません。このような場合は、RLSAの効果を実感することは難しいでしょう。

・広告予算が潤沢にあり、ビックワードでも掲載順位1位を取る必要がある場合

既に市場でのブランド力があり、商品やサービスを認知されている場合には、ビックワードでも積極的に広告出稿をしていった方が、全体の効果を最大化できます。というのも、ブランド力がある場合、市場でブランドが認知されているので、ユーザーは、「過去にサイトを訪問してサービスを認知した」というのと同じような状態になっているからです。このような状態ですので、「サイトを訪問してブランドを既に認知しているユーザー」をターゲティングするという本来のRLSAの目的は機能しなくなっているといえます。

このような場合には、サイトを訪問したことの有る無しに関わらず、より多くのユーザーにリーチするほうがマーケティング的には効果があります。その為、サイトに訪問したことのないユーザーに対しても、できるだけ上位掲載を目指し、入札単価を強化する必要があり、結果的にRLSAを設定して入札単価を調整するメリットが薄まってしまいます。

今、紹介しました3つのようなケースでは、RLSAを設定したとしても思ったような効果は得ることが出来ません。RLSAを既に実施しているがあまり効果が出ていないといった場合には、上のようなケースに当てはまらないか確かめてみてください。

RLSAを配信するために必要な事~タグ設置に関して~

RLSAを配信するためには、ウェブサイト内にタグを設置しておかなければいけません。このタグはリマーケティング広告で用いられるリマケタグと同様のもので、対象となるウェブサイトの全ページに設置する必要があります。

また、上でも少しふれましたように、配信には最低ユーザー数を満たす必要がある為、ある程度のユーザーの流入が必要となります。一日あたりのウェブサイトへの流入数が少ない場合には、ユーザー数の蓄積に時間がかかりますので、ある程度は期間に余裕をもって設置しておいた方がいいでしょう。

⑦まとめ

いかがでしたでしょうか。RLSAがどのようなものか理解していただけましたでしょうか。RLSA

を活用することで、今まで出稿できていなかったビックワードやクリック単価の高いキーワードでも、費用対効果を改善しながらリスティング広告を出すことが出来ます。しかしながら、その機能はディスプレイ広告におけるリマーケティングと同じで、サイトに訪れたユーザーに限定してターゲティングするものです。そのため、RLSAだけを配信していれば、どこまでも効果が良くなるというものではありません。

例えば新規のユーザーの流入が減ってしまうと、リマーケティングリストのユーザーが枯渇してしまうため、RLSAの効果が悪化してしまうことがあります。その為、ディスプレイ広告のリマーケティングと同様に、RLSAでは、そもそものウェブサイトへの流入設計も併せて考えていく必要があります。

「どのように流入設計をすればよいのか」
「どのようなキーワードでRLSAを実践すればよいのか」

RLSAのことは理解したけれども、このような課題に行き詰ったときには是非ご相談いただければと思います。