リスティング広告を担当されている方ですと、《除外キーワード》という言葉を聞いたことがあるかと思います。その意味は難しいものではないので、除外キーワードが何なのかは簡単に理解できるかと思います。

ですが、いざ実際に登録してみようと思ったときに、どのキーワードを登録すればよいのかわからない…となってしまった方も多いのではないでしょうか。

また、ユーザーの検索語句は無限にありますので、除外キーワードはいくつ登録するのかと途方に暮れてしまうこともあるかもしれません。

今回はそんなリスティング広告の運用担当者の方のために、除外キーワードを登録する際のコツをご紹介いたします。

【目次】

  1. 除外キーワードとは
    • 除外キーワードのマッチタイプ
  2. 不要なキーワードの見つけ方
    • 表示回数、クリック数、費用の降順にしてみる
    • ユーザーの検索語句からルールを見つける
    • 再現性のありそうなキーワードを先回りして追加する
  3. ちょっと上をいく担当者向けのテクニック
  4. まとめ

①除外キーワードとは

皆さんも、リスティング広告を運用する際は、「完全一致」、「フレーズ一致」、「絞込み部分一致」、「部分一致」といったマッチタイプを使い分けて、キーワードを登録していることと思います。もし、完全一致だけ登録して運用しているのであれば、除外キーワードの登録は必要ないといえるでしょう。しかしながら、そういった運用担当者の方はあまり多くないかと思います。

なぜなら、キーワードのマッチタイプを完全一致だけに限定して配信をしていると、広告の表示回数も極めて限定的になってしまうからです。多くの運用担当者の方は、広告の表示機会を逃さないようにするために、完全一致以外のマッチタイプも活用しながらリスティング広告を運用しているはずです。

⇒キーワードのマッチタイプについて詳しく知りたい方はコチラを参照ください。
検索連動型広告《リスティング広告》のマッチタイプが分からない…

完全一致以外のマッチタイプでキーワードを登録した場合、広告の表示機会を広げることが出来る反面、関連性の低いキーワードに対しても広告を表示してしまうことになります。その為、広告の費用対効果を改善していく為には、この「広告を表示させたくないキーワード」を除外キーワードとして登録する必要があります。

・除外キーワードのマッチタイプ

除外キーワードの登録を進めていく前に、覚えておかなければいけないのが除外キーワードにもマッチタイプがあるということです。この除外ワードのマッチタイプを理解しておかないと、除外キーワードを登録しても、いつまでたっても除外したいキーワードが減らないという、非効率な作業を繰り返してしまうことになります。

除外キーワードのマッチタイプも、通常の《キーワードのマッチタイプ》と基本的な意味合いは同じになりますが、その拡張する範囲が若干違いますので注意が必要です。

※※通常のキーワードのマッチタイプと異なり、誤字や表記の揺れを認識してくれないので、それぞれ個別に登録する必要があります。

それでは、「業務用 エプロン」を扱っている店舗のリスティング広告で、
『子供用のエプロンは対応していないので「子ども用 エプロン」を除外したい。』
という場合を例にとって見ていきたいと思います。

・除外キーワードの完全一致

完全一致の場合は、ユーザーの検索語句と除外キーワードが完全に一致した場合にのみ、広告の表示を除外することが出来ます。

【例】
除外キーワード:[子ども用 エプロン]を完全一致で登録

検索語句
・大人用 エプロン  ⇒ ○:表示される
子ども用 エプロン ⇒ ×:表示されない
・こども用 エプロン ⇒ ○:表示される
・子供用 エプロン  ⇒ ○:表示される

「子ども」、「こども」、「子供」のように表記の揺れがある場合、通常のキーワードのマッチタイプでは表記の揺れとして扱われますが、除外キーワードのマッチタイプの場合は表記の揺れを別々のキーワードとして認識します。その為、それぞれ個別に登録していう必要があります。

・除外キーワードのフレーズ一致

フレーズ一致で除外キーワードを設定した場合、登録したフレーズ(語順も一致する語句)が検索された場合に、広告の表示を除外することが出来ます。

【例】
除外キーワード:”子ども用 エプロン”をフレーズ一致で登録

検索語句
・大人用 エプロン     ⇒ ○:表示される
子ども用 エプロン    ⇒ ×:表示されない
子ども用 エプロン 青色 ⇒ ×:表示されない
・赤色 子ども用 エプロン ⇒ ×:表示されない
子ども用 青色 エプロン ⇒ ○:表示される(フレーズの間に別の語句が入っているため)

・除外キーワードの部分一致

部分一致はデフォルトで設定されているマッチタイプになります。除外キーワードのマッチタイプにおいて、この部分一致というマッチタイプが一番分かりにくいかと思いますが、その除外の対象となる範囲をしっかりと理解しておいてください。

除外キーワードの部分一致は、通常のキーワードのマッチタイプの部分一致とは異なり、絞込み部分一致に近い範囲で意味を拡張します。

フレーズ一致とは違い、語順に限らず登録した語句が検索された場合に広告の表示を除外することが出来ます。

【例】
除外キーワード:「子ども用 エプロン」を部分一致で登録

検索語句
・大人用 エプロン     ⇒ ○:表示される
子ども用 エプロン    ⇒ ×:表示されない
子ども用 エプロン 青色 ⇒ ×:表示されない
・赤色 子ども用 エプロン ⇒ ×:表示されない
子ども用 青色 エプロン ⇒ ×:表示されない
子ども用 スタイ     ⇒ ○:表示される(キーワードの片方しか含まれていないため)

ここまで、除外キーワードのマッチタイプについてみてきましたが、完全一致ばかりで登録してしまうと次から次へと新しい除外キーワードを登録していかなければならず、一向に作業が減らず、非効率になってしまいます。

実際に登録する場合は、「フレーズ一致」もしくは「部分一致」を登録しておくことがおすすめです。「フレーズ一致」もしくは「部分一致」であれば、そのキーワードを含む検索語句での表示を除外することが出来るようになるため、その後の運用はかなり楽になるかと思います。

逆に、特定のキーワードのみで広告表示を除外したい場合は、完全一致のマッチタイプで除外キーワードを登録するとよいでしょう。

このように、除外キーワードのマッチタイプを使い分けることで、費用対効果の改善だけでなく、その後の作業を効率化していくことが出来ます。

②不要なキーワードの見つけ方

不要なキーワードを見つけるためには、検索クエリレポート(検索語句レポート)を作成して、ユーザーが実際に入力している検索語句を確認してみる必要があります。ここでは、検索クエリレポートの中から、不要なキーワードを発見していくためのコツをご紹介したいと思います。

・表示回数、クリック数、費用の降順にしてみる

検索クエリレポートから除外すべきキーワードを見つけるための、最も初歩的なやり方です。表示回数、クリック数、費用などの指標(KPI)を降順に並べていくことで、どの検索語句が影響を及ぼしているのかを確認することが出来ます。例えば、「全く関連性のない検索語句で表示回数が多いもの」や「費用は使っているけれどもコンバージョンに結び付いていないキーワード」などは除外キーワードとして登録しても良いでしょう。

・ユーザーの検索語句からルールを見つける

例えば、上記の「業務用 エプロン」のキーワードの検索語句レポートを確認していて、検索語句が次のようになっていたとします。

「業務用 エプロン」
「飲食店用 エプロン」
「エプロン レストラン スタッフ」
「エプロン 130」
「レストラン 紙エプロン」
・・・(以下ずっと続きます)・・・
「エプロン 150」
「120 エプロン」

このような検索語句を見た時、それぞれのキーワードの表示回数や消化コストが少なかった場合、KPIのみを判断基準にしていると、一つ一つは大した影響がないので、除外すべきキーワードを見落としてしまうことがあります。例えば、この検索語句のなかで「エプロン 130」だけを切り取ってみても、あまり何のことか分かりません。
しかし、

「エプロン 130」
「エプロン 150」
「120 エプロン」

と並ぶと、「数字×エプロン」というルールで検索していることが分かります。そこで、実際に「エプロン 130」を検索してみることにします。そうすると、エプロンのサイズであることが分かるかと思います。特に「130」「130」「120」は子ども用のサイズになっていますので、明らかにユーザーの検索意図とは関係性が低いことが分かるかと思います。

このように、一つ一つの検索語句だけを見てしまうと、表示回数や消化費用というKPIにはあまり影響のなさそうなキーワードに見えてしまうこともありますが、そこからユーザーの検索意図のルールを見つけ出すことで、効率的に除外すべきキーワードを発見することが出来ます。

・再現性のありそうなキーワードを先回りして追加する

除外キーワードとして登録すべきキーワードは、必ずユーザーが実際に検索した検索語句から選ばなければいけないというものではありません。上で紹介しました、『ユーザーの検索語句からルールを見つける』ことに似ているのですが、見つけたルールを拡張して、再現性のありそうなキーワード見つけだし、先回りして除外キーワードとして登録しておくことで、その後の作業効率を改善していくことが出来ます。例えば、

「子ども用 スタイ」

という検索語句が検索クエリレポートにあったとします。「スタイ」を除外キーワードとして登録するさいに、その検索ユーザーは「他の似たようなキーワード」で検索される可能性はないかという視点で考えてみます。類語を考えてみると

「よだれかけ」
「ビブ」
「前掛け」
「金太郎エプロン」

などのキーワードが出てきます。これらのキーワードは実際に検索クエリレポートにあがっていなくても、ユーザーに検索されそうな可能性のあるキーワードになりますので、(本当に、「金太郎エプロン」なんて検索されるのだろうか・・・と思いながらも)先回りして登録しておくとよいでしょう。

③ちょっと上をいく担当者向けのテクニック

ここからは、少し上級者向けのテクニックになりますので、運用に関係のない方はスキップされてもかまいません。

今まで見てきた除外キーワードでは、検索ユーザーの検索語句への対策としての「外側への除外キーワード」という意味合いを持っていました。実は、除外キーワードにはもう一つ「内側への除外キーワード」という考え方があります。

他の担当者のリスティング広告のアカウントやレポートを見ていると、社名や商品名などのブランド名と、一般的な検索キーワード(一般ワード)をキャンペーンに切り分けて運用しているアカウントがあります。このような場合に検索クエリレポートを確認してみると、一般ワードのキャンペーンで、ブランド名のキーワードを拾ってきてしまっていることがあります。このような場合に、大切なのが「内側への除外キーワード」という考え方です。

通常、ブランド名と一般ワードの二つのキャンペーンを比べてみると、社名やブランド名のキーワードの場合は、ユーザーがその商品を既に知っている場合が多く、目的意識をもって検索をしているので、商品の購入に結びやすいのが特徴です。

一方、ブランド名ではない一般的な商品のカテゴリ-名などの場合、ユーザーもまだいくつかの商品と比較検討段階のことが多く、ブランド名のキャンペーンと比べ購入率は低い傾向にあります。

もし、一般ワードのキャンペーンでブランド名を含む検索語句に対しても広告を表示してしまうと、一般ワードの効果が過剰評価されてしまい、逆にブランド名のキーワードの効果を過小評価してしまいます。一般ワードで獲得効率が良いから、もっと広告予算を投下しようと思っても、実際にはブランド名で獲得されていたとなると、一般ワードに予算を投下することで、返って効果が悪化してしまうことにもなりかねません。

そこで、一般ワードのキャンペーンに「ブランド名」の除外キーワードを登録しておく必要があります。このように、アカウント構成の意図を正しく広告配信に反映するために、キャンペーン間で「 内側への除外キーワード 」を設定することで、広告の効果を正しく計測することが出来るようになります。

④まとめ

いかがでしたでしょうか。書き始めの想定より、だいぶ長文の内容になってしまいましたが、それだけ除外キーワードというものが重要ということでしょう、と改めて確認した次第です。

リスティング広告と除外キーワードの関係は、数学でいうと実数虚数の関係に似ているのかと思います。実数のみを扱っているだけでも、数学の大部分を理解することはできるかと思います。しかし、その理論を突き詰めていくと、どこかで虚数という概念(機能)が必要になってくるのです。

リスティング広告は、キーワードによって広告出し分けていく広告です。広告を表示したいキーワードを扱うだけでもその大部分はコントロールすることが出来ます。しかし、「広告を表示させない」という逆の機能を理解することで、その広告理論はより洗練されたものへとなっていくのではないでしょうか。

広告を表示したくなければ、そのキーワードを停止すればいいと思うこともあるかもしれませんが、除外キーワードを活用することで、より効率的な広告費審が可能となります。是非、参考にしていただければと思います。