リスティング広告をはじめとした、運用型広告では、機械化による自動運用の流れが強烈な勢いで進んでいます。その為、リスティング広告の運用に対する考え方も、数年前とは大きく変わってきているのではないでしょうか。リスティング広告で今、広告運用の考え方とともに大きく変わってきているのが、そのアカウント構成です。

『単価調整ができて初心者、
アカウント構成ができて中級、
上級者となれば第三のポイントで差を開く』

という言葉があるように、単価調整が出来るようになった、運用担当者が効率的な運用をしていくために次に必要になってくるのが、アカウント構成に関するスキルです。

リスティング広告の成果は、このアカウント構成によって大きく左右されます。むしろ、アカウント構成によっては、その後いくら調整をしたとしても、一向に効果が良くならない・・・なんてことも起こりえます。

特に、近年では《自動運用》の流れがすすみ、「機械学習が進みやすいアカウント構成」ということが意識されるようになってきました。

これは、広告運用の自動化が進んできたからといって、今まで通りのアカウント構成のまま、自動化に切り替えたとしても、効果が上がるわけではないということを意味しています。つまり、自動運用を進めていく為に、広告の自動運用そのものの理解と、それに適したアカウント構成が必要であるということです。それでは、今、機械学習のために必要な、リスティング広告のアカウント構成とは何なのかを見ていきたいと思います。

【目次】

  1. リスティング広告のアカウント構造
  2. キャンペーン構成を細かく分割するデメリット
  3. リスティングキーワードのマッチタイプとアカウント構成
  4. まとめ

①リスティング広告のアカウント構造

リスティング広告のアカウント構造は

  • キャンペーン
  • 広告グループ
  • 広告
  • キーワード

という要素で構成されています。

キャンペーンでは、キャンペーンの配信期間、一日あたりの予算、配信先のエリア指定が出来ます。

広告グループでは、入札単価の調整、広告文の設定が出来ます。

広告グループはキャンペーンの中に設定していくことになり、広告グループの中に、それぞれ、

・広告文(そのリンク先となるURL)
・キーワード

を設定していきます。

このアカウント構造は、以前からの変化はありませんが、最適なアカウント構造を作り込んでいく為には、それぞれ、何を目的としたものなのかをしっかりと理解しておく必要があります。

②キャンペーン構成を細かく分割するデメリット

アカウント構成を考えるときに、まず考えなければいけないのが、キャンペーンの数です。数年前までは、キーワード設定や広告文の設定を細かく(手動で)調整することが良しとされていたような風潮がありました。そのため、付随するキャンペーンの数も多くなってしまいがちだったのですが、最近ではキャンペーンをできるだけまとめることが、推奨されています。

キャンペーンを細かく切り分けてしまうと、1キャンペーンあたりに割り振られる予算が少なくなってしまったり、余計な運用工数がかかるなど、反って運用の効果を悪くしてしまうことがあるからです。

例えば、リスティング広告の運用予算が月30万円であったとします。この場合、1日に使える予算は1万円と言ことになります。キャンペーンを5個設定していたとすると、1キャンペーンに設定する1日あたりの予算は2,000円ということになります。もし、CPCが100円するのであれば、1日に20回広告をクリックされてしまえば、そのキャンペーンはその日、配信が停止してしまいます。

このような、機会損失を避けるため、日々、キーワードの入札単価を調整したり、キャンペーン間で予算を調整しあうなど、余計な運用工数も発生してしまいます。

また、このことは、機械学習の観点からも良くありません。機械学習を効率的に進めていく為には、安定した豊富なデータが必要になります。機会損失を避けながら、できるだけ、広告の表示回数やクリック数を多くしていくほうが、活用できるデータの蓄積も早くなり、最適化が進むのも早くなります。

このような観点から、キャンペーンはあまり細かく分割しないことがおすすめです。どうしても分割しなければならない場合は、キャンペーンを分割する目的がアカウント構造上、キャンペーンでしか設定できないことかどうかを照らし合わせて考えてみるとよいでしょう。

【キャンペーンでしか設定できないこと】
・配信期間 (広告予算が分かれていて限定的な期間の施策などの場合)
・対象エリア

リスティング広告は、一日にユーザーの検索があって、何回のクリックが発生するのか決まっているものではありません。今日のクリック数と明日のクリック数が同じということはありません。ある程度の余裕を持たせたキャンペーン予算の設定が良いといえるでしょう。その為、一つのキャンペーン予算に限りがある場合は、できる限りまとめることが出来ないかを検討してみてください。

③リスティングキーワードのマッチタイプとアカウント構成

リスティング広告を運用する場合、キーワードのマッチタイプをどのようにアカウント構成へ落とし込むかということも重要になってきます。自動運用ツールが広告の効果を改善していくためには、機械に学習をさせていく必要があります。別の言葉でいうと、扱うデータの量を多く保っておく必要があるといえます。

例えば、広告文のパターンを最適化していく場合、広告が表示やクリックをされなければどの広告が効果の良い優れたパターンなのか見当がつきません。その為、それぞれのパターンの効果を判断するために表示回数やクリック数のデータを増やす必要があります。

リスティング広告で設定するキーワードには、マッチタイプがありますが、このキーワードのマッチタイプごとで広告表示に対する配信の仕組みがことなります。

⇒キーワードのマッチタイプについて詳しく知りたい方はコチラを参照ください。
検索連動型広告《リスティング広告》のマッチタイプが分からない…

一般的には、一つのキーワードをマッチタイプごとで比べてみると、部分一致では広告文の表示回数が多いですが、完全一致のキーワードでは広告文の表示回数が少なくなってしまいます。

これでは、本来は一番、ユーザーのニーズとマッチ度が高いとされている完全一致で広告文の表示がされないため、最適化が進まないという事態が起こってしまうのです。

そこで対応策とされているのが、同じキーワードの完全一致、フレーズ一致、絞込み部分一致、部分一致、それぞれのマッチタイプを同じ広告グループにまとめるという方法になります。

リスティング広告のアカウント構成では同じ広告グループ内に入稿されているキーワードに対しては、同じ広告のグループ群が配信されるような構造になっています。

別々のマッチタイプのキーワードをまとめることで、完全一致のキーワードの表示回数が少なかったとしても、表示回数が多い部分一致で広告表示がされれば、それを補うことが出来ます。その結果、表示回数が限定的であった完全一致のキーワードに対しても、最適化が進みやすくすることが出来るのです。

Google広告では、このアカウント構成は『hagakure』と呼ばれています。

※Yahoo!スポンサードサーチの場合も『hagakure』とは呼びませんが、同様のアカウント構成を推奨しています。

④まとめ

いかがでしたでしょうか。

恐らくこの流れは、今後も続いていくと思いますので、今の最新の方法が数年後には使えないものとなっているかもしれません。

また、広告主様の属する業界や、扱う商材によって、最適なアカウント構造は異なってくるかと思います。

しかしながら、今、自動化の流れの中で必要とされているアカウント構成を理解することで、そのメリットを最大限に活用することが出来るようになることでしょう。

リスティング広告の機械化・自動化が進んだからといって、運用担当者の仕事がなくなることはありません。機械化・自動化によってより高度な運用スキルが求められてきているのかと思います。

もしも、リスティング広告の適切な活用方法が分からない場合はご気軽にご相談いただければとおもいます。