ウェブマーケティングの担当者の皆さまであれば、既にリスティング広告の運用に携わっている方も多いのではないかと思います。そんな担当者の皆さまだからこそ、リスティング広告をどのように活用していき、どのような方針で運用していくべきなのかと、毎日のように頭を悩ませているのではないでしょうか。このコラムでは、そんな時に今一度振り返ってみたいリスティング広告の特徴をまとめています。是非参考にしていただければと思います。

【目次】

  1. 検索連動型広告(リスティング広告)とは
  2. 検索連動型広告(リスティング広告)の強みと弱み
  3. 強み:メリット
  4. 弱み:デメリット
  5. まとめ

①検索連動型広告(リスティング広告)とは

リスティング広告とは検索連動型広告のことで、ユーザーが検索したキーワードに基づき、検索結果画に表示される広告になります。日本国内の検索エンジンではGoogleとYahoo!でシェアの9割超を占めています。リスティング広告の運用でも、Googleが提供するGoogle広告(旧Googleアドワーズ)と、Yahoo!が提供しているYahoo!スポンサードサーチを押さえておけば全く問題ありません。

時々、その他の検索エンジンとして、Windowsのパソコンに初期設定されているBingの話題が出ることもあるかと思いますが、現在日本国内では、Yahoo!スポンサードサーチから広告出稿がされています。

先ずは、Google広告とYahoo!スポンサードサーチを配信しておけば検索エンジンの9割をカバーできるので、全く問題ないといえるでしょう。

②検索連動型広告(リスティング広告)の強みと弱み

それでは、リスティング広告の特徴を見ていきたいと思います。リスティング広告の強み(メリット)と弱み(デメリット)は下記のようなものがあります。強みとなる特徴に関しては、いまさらピックアップするほどのことでもないかもしれませんが、特に、弱みとなる部分は、ウェブマーケティングを担当されて長い方でも、うっかり見落としてしまいがちですので、十分に理解しておきたいところです。

強み:メリット

  • 顕在化したニーズのキーワードに広告配信ができる
  • SEO対策より即効性があり、その補完施策となる
  • 広告の掲載順位をコントロールできる(上位掲載はその分費用が掛かります)
  • 広告がクリックされたときだけ課金される
  • 広告ごとにリンク先のページを変えることが出来る
  • 広告の配信データが細かく可視化できる

弱み:デメリット

  • 競合の多いキーワード(ビッグワード)ではクリック単価が高騰する
  • キーワードが検索されなければ広告が表示されない
  • キーワードの掛け合わせを作ると膨大な数のキーワード数になる
  • 運用型広告であるため、広告配信してからも調整が必要
  • 継続して配信していくことが前提

③強み:メリット

・顕在化したニーズのキーワードに広告配信ができる

リスティング広告は顕在層に強い広告媒体と言われています。その理由は、広告配信の対象がユーザー自身が入力している検索キーワードだからです。ユーザーが検索エンジンに入力しているキーワードには、ユーザーのニーズが表れています。

例えば、エアコンが壊れて困っているユーザーは、[エアコン修理]や[エアコン 修理 東京]などのキーワードを検索エンジンで検索するでしょう。一方で、こうしたニーズを取り込みたい、町の電気屋さんはリスティング広告を活用することで、[エアコン修理]や[エアコン 修理 東京]などのキーワードが検索された際に、その検索結果の画面に広告を出すことが出来ます

このように、リスティング広告を活用することで、顕在化したニーズに対して広告を配信することが出来ます。

SEO対策より即効性があり、その補完施策となる

リスティング広告の場合、広告の設定から広告の掲載開始までの期間が比較的短期間で済みます。

検索結果に上位表示させる対策として、SEO対策に力を入れている企業の担当者の方は多いかと思います。しかしながら、SEO対策は一朝一夕に効果が出るものではなく、比較的長期の対策となります。また、競合が多いキーワードではその対応もより一層難しくなってくるでしょう。

広告掲載が短期間でできるリスティング広告を活用することで、SEO対策を補完することが出来ます。SEO対策とリスティング広告は同じようにキーワードとその検索結果画面を対象としていますが、どちらか一方のみ実施していれば良いというものでもありません。併せて対策していくことで、ウェブマーケティングを最適化していくことが出来ます。

・広告の掲載順位をコントロールできる(上位掲載はその分費用が掛かります)

リスティング広告の掲載順位は広告ランクというもので決定されています。この広告ランクをさらに分解してみてみると広告ランクとは「広告の品質スコア」×「入札単価」で決定されています。ここではこれ以上、広告ランクについて細かくは見ていきませんが、品質スコアが一定であるならば、入札単価を高めることで広告ランク=掲載順位を高めることが出来ます。

ウェブマーケティング戦略上で特定のキーワードを上位表示させたい場合、SEO対策で特定のキーワードの掲載順位をコントロールすることは非常に難しいですが、リスティング広告であれば、入札単価をコントロールすることで、広告を上位表示させることが出来ます。

※ただし、上位掲載をする場合、下位に掲載している時と比べて費用は掛かりますので注意が必要です。

・広告がクリックされたときだけ課金される

リスティング広告の課金形態はクリック課金制です。表示をされているだけならば、課金の対象にはならず、その広告がクリックされることで費用が発生します。つまり、ユーザーが広告主のサイトに訪れることで課金されるということです。

この点は、インプレッション課金型のディスプレイ広告や掲載枠を一定の期間買い取る純広告と大きく異なります。興味関心の度合いが高いユーザーをサイトに連れてきた時点で課金されるので、広告の費用対効果は他の広告と比べ良くなりやすいです。

・広告ごとにリンク先のページを変えることが出来る

リスティング広告では、掲載する広告ごとにリンク先を設定することが出来ます。SEO対策ではどのキーワードに対してどのページを掲載させるかという指定はできませんが、リスティング広告では広告ごとにリンク先のページを設定することが出来るので、商品ごとに広告を出し分けたり、コンバージョン率の高いページを設定したりということが可能です。

また、同じキーワードに対して、別々のリンク先の広告を複数設定して配信することで、どちらのリンク先のページの方が効果が良いのかというABテストを行うことも可能です。

・広告の配信データが細かく可視化できる

リスティング広告では、広告運用の効果をキーワード単位、広告単位で確認することが出来ます。効果に結び付いているキーワードがどれなのか、逆に、効果に結び付いていないキーワードがどれなのかを確認することが出来るので、効果の良いキーワードでの広告配信を強化し、効果に結び付いていない広告の配信を停止するということが可能です。

また、広告文ごとの効果を見ることで、どの訴求要素がユーザーに影響があったのかを見ることもできます。

このように、リスティング広告を運用することで、細かいデータが可視化できるので、次のマーケティング戦略を考える際の参考になります。

④弱み:デメリット

・競合の多いキーワード(ビッグワード)ではクリック単価が高騰する

リスティング広告の掲載はオークション形式で決定されています。その為、あるキーワードに対して広告を出稿したい競合が多くなればクリック単価は高騰していきます。特にビックワードと呼ばれるような、検索数の多いキーワードでは入札競争が激しくクリック単価が高いことが良くあります。また、検索数の多いビックワードでは必然的にクリック数も多くなるため、消化する広告費用が大きくなります。

クリック単価の相場は業界によってバラつきがありますが、クリック単価の高い業界では、1クリックあたりの費用が5000円以上というところも結構あります。このような業界ではクリック単価を下げようと努力をしてもなかなか結果に結びつかないでしょう。競合が多く、クリック単価の高い業界では、何を訴求ポイントとして、レッドオーシャンで競争していくのかを考えながら広告の配信設計を進めていく必要があります。

・キーワードが検索されなければ広告が表示されない

リスティング広告はユーザーの検索行動をもとに配信される広告媒体です。その為、そもそもユーザーが検索しないようなニッチなキーワードでは、いくら登録したとしても広告配信をすることが出来ません。

このような事態を回避するために、リスティング広告ではマッチタイプという概念があります。マッチタイプには完全一致フレーズ一致部分一致というものがあります。ここでは簡単にしか説明しませんが、設定したキーワードと完全に同じキーワードが検索された際に表示されるのが完全一致です。フレーズ一致は設定したキーワードのフレーズ(語順も変えずに)が含まれる場合に広告を表示できます。部分一致は、“ギフト”と“プレゼント”、“語学留学”と“短期留学”など意味的に同一と媒体が判断されるものに広告を配信します。

つまり、キーワードを部分一致で設定しておけばそれに近しいとされるキーワードが検索された際に、自動的に拡張されて広告配信をすることが可能です。

ただし、部分一致の配信は予期せぬキーワードからの流入も呼び込んでしまうため、費用対効果を悪化させてしまう要因ともなりますので、定期的に流入キーワードを確認しながら運用していく必要があります。

⇒マッチタイプについて詳しく知りたい方はコチラを参照ください。
検索連動型広告《リスティング広告》のマッチタイプが分からない…

もっとも、まだユーザーに認知されていないような新商材のサービスや法人向けの商材であまり検索されていないようなキーワードでは部分一致を設定したとしても効果の改善には結びつかないと思われますので、そもそもの広告戦略を見直す必要があるでしょう。

・キーワードの掛け合わせを作ると膨大な数のキーワード数になる

ユーザーが検索する検索キーワードは多くの場合2語~3語となる複合キーワードです。リスティング広告用に登録キーワードを考えていく場合、軸ワードと掛け合わせワードという考え方で、キーワードの組み合わせを生成していきます。

例えば、20個の軸ワードに20個の掛け合わせキーワードがあった場合、生成されるキーワードは400個になります。これに完全一致、フレーズ一致、部分一致というマッチタイプをそれぞれ設定すると、それだけで既に1200個のキーワードを扱わなければなりません。データの数が多くなればなるほど、作業工数がかかり、運用が煩雑になっていってしまいます。

キーワードの登録数は、リスティング広告の広告予算に合わせて設定していくとよいでしょう。

・運用型広告であるため、広告配信してからも調整が必要

リスティング広告は運用型広告と言われていることからも分かるように、広告が配信開始となったあとも、様々な調整(運用)をしていく必要があります。広告配信の効果を維持・改善していくためには、効果の良いキーワード・効果の悪いキーワードの入札単価を調整していかなければなりません。反応の良くない広告文は別の広告に差し換えていかなければいけません。また、無駄なキーワードからの流入がないかなどを定期的にチェックして、クリックの質を維持していく必要もあります。このように、リスティング広告では広告配信してからも管理工数がかかってしまいます。

レポートフォーマットの統一や外部の管理ツールの導入など、できるだけ管理工数をかけないようにしていく必要があります。

・継続して配信していくことが前提

短期間のキャンペーン告知などの場合を別にして、基本的には継続的に配信していくことを考えていく必要があります。リスティング広告はあくまで運用型広告ですので、運用をしていく中で、効果改善が見込めます。短期間で配信をする場合、判断材料が少ないため、配信開始後の運用がうまくいかず、効果が良くならないということもあり得ますので注意が必要です。

また、季節的な商材で一年間のうち一定の期間しか配信しないというケースの場合も同様のことが言えます。ユーザーの検索トレンドや競合他社のリスティング広告の出稿状況などは日々変化していくものです。過去の配信データがあったとしても、同じ設定のまま毎年配信できるわけではありません。できるだけ継続的に広告を配信するように心がけ、ユーザーの検索トレンドや競合他社の出稿状況を常にキャッチアップしていけるようにするとよいでしょう。

⑤まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、リスティング広告の強み(メリット)と弱み(デメリット)という形でまとめさせていただきました。既に理解されているような内容も多かったかと思いますが、リスティング広告の運用に行き詰ったとき、ぜひ一度改めて、この強みと弱みを考えていただければと思います。

何が出来て、何が出来ないのか。このことをしっかりと理解することによって、リスティング広告の活用の幅は格段に広がるかと思います。それでも、リスティング広告のデメリットを克服できない際は是非お気軽にご相談いただければと思います。