ウェブマーケティングを担当された方ですと、避けては通れないのが運用型広告をどう活用していくかという問題かと思います。その運用型広告の中でも、最も利用されている広告媒体がリスティング広告です。

株式会社サイバー・コミュニケーションズ(CCI)が発表しています
『2017年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析』
(https://www.cci.co.jp/wp/wp-content/uploads/2018/03/180328.pdf)
では、2017年のインターネット広告媒体費の取引手法別の構成比率でインターネット広告全体に占める運用型広告の割合は77.0%に達しており、その中でもリスティング広告が39.6%を占め、リスティング広告がインターネット広告全体のなかでも、主要な広告手法となっていることが見て取れます。

このような状況ですから、ウェブマーケティングの担当者の方にとっては、リスティング広告をどのように活用していくかが重要なカギとなっているのではないでしょうか。このコラムでは、リスティング広告の基本的な理解を抑えながら、ウェブマーケティング戦略の中でリスティング広告をどのように活用していくべきなのかをまとめています。インターネット広告の中でも主要な広告手法といえるリスティング広告ではありますが、その活用方法を間違えると、効果を悪化させてしまうこともありますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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【目次】

  • ①検索連動型広告(リスティング広告)とは
  • ②リスティング広告の強みと弱み
  • ③顕在化したニーズをあらわす検索キーワード
  • ④検索されなければ表示されない検索連動型広告(リスティング広告)
  • ⑤ウェブマーケティング全体のなかでのリスティング広告の活用方法
  • ⑥まとめ

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①検索連動型広告(リスティング広告)とは

検索連動型広告(リスティング広告)とはGoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ユーザーが検索したキーワードに基づいて広告配信を行う広告手法になります。広告は検索結果画面に表示されます。リスティング広告ではユーザー自身が入力したキーワードをターゲティングして広告出稿ができるため、ユーザーのニーズに対してかなり的確にアプローチすることが出来ます。

②検索連動型広告(リスティング広告)の強みと弱み

リスティング広告ではユーザーのニーズにアプローチできるという強みのメリットもありますが、当然のことながら弱みとなるデメリットもあります。リスティング広告を上手く活用していくためにはこの特徴をしっかりと理解していく必要があります。リスティング広告のメリットとデメリットには下記のようなものがあります。

強み:メリット

  • 興味関心の高いユーザーにのみ配信ができる
  • 広告がクリックされたときだけ課金される
  • SEO対策より即効性があり、その補完施策となる

弱み:デメリット

  • キーワードが検索されなければ広告が表示されない
  • 競合の多いキーワードではクリック単価が高騰する
  • 運用型広告であるため、広告配信してからも調整が必要

リスティング広告を活用していくうえで特に理解しておかなければならないのが1番にあがっている強みと弱みです。この強みと弱みを、おおざっぱに要約すると、ユーザーの検索キーワードとしてあらわれる顕在化したニーズには強く、ユーザーが検索しないような潜在的なニーズには弱いということになります。

③顕在化したニーズをあらわす検索キーワード

皆さん自身も検索エンジンを利用する機会は多いと思います。改めて自分自身の行動パターンを振り返りながら考えてみると、リスティング広告の強みを理解しやすいのではないでしょうか。

ユーザーが検索をするときは、何かを捜している時になります。つまり○○(○○という情報の場合もあります。)が欲しいという時です。ユーザー自身が、自分自身がどのような課題を抱えているか自覚しており、その解決策を求めて自ら行動を起こしているのです。この状態のとき、『ニーズは顕在化している』といいます。

ユーザー自身が、何かを探すために検索エンジンに入力しているキーワードは、このような顕在化したニーズをあらわしているといえます。

顕在化したニーズに対して、それを満たすための商品やサービスを提案ができれば、ユーザーがその商品やサービスを利用してくれる確率は高くなるはずです。リスティング広告ではユーザーのニーズが顕在化したタイミングで、広告を表示させることが出来ます。まさにリスティング広告は顕在化したニーズに強い広告媒体といえるでしょう。

④検索されなければ表示されない検索連動型広告(リスティング広告)

リスティング広告とは上段で見てきましたように、顕在化したニーズに対して非常に効率よく広告配信ができる広告媒体になります。しかし、このことは裏を返せば、顕在化していないニーズに対しては非常に弱いということになります。

リスティング広告ではユーザーがキーワードで検索してくれなければ広告を表示することが出来ません。特に、新商品や新しいサービスなど、市場での認知度が低いものは、ユーザーが検索キーワードを想起できないので、リスティング広告では思うように効果を上げられないことがあります。

この検索されなければ表示されないという点は良く見落されがちです。例えば、業界に先駆けて始めた新たなサービスや新商品などのウェブサイトを立ち上げた場合、リスティング広告で集客を考える担当者の方は多くいらっしゃいます。しかし、このような場合、ユーザーはその新しいサービスや商品の情報にたどり着くためのキーワードを知りません。その為、リスティング広告を配信したとしても広告の表示回数が伸びずサイトへのクリックがほとんど発生しなかったり、逆に無理にキーワードを拡張してしまい、かえって費用対効果を悪化させてしまうということになったりします。

このように市場での認知度が低い場合には、たとえユーザーの中にニーズがあったとしても、検索連動型広告(リスティング広告)では的確に広告を配信することが出来ないのです。

⑤ウェブマーケティング全体のなかでのリスティング広告の活用方法

検索連動型広告(リスティング広告)を活用する場合、どのように活用していくのが良いのでしょうか。これまでの説明で、リスティング広告は顕在化したニーズに強く、潜在的なニーズには弱いということが理解していただけたかと思います。

このことを、今一度、ウェブマーケティング全般の中でとらえてみたいと思います。

ウェブマーケティングを全体で考える場合、ユーザーの購買行動モデルと照らし合わせて考えるとよいでしょう。購買行動モデルはいくつかありますが、ウェブマーケティングを考える場合、AISEASモデルが分かりやすいのではないでしょうか。

AISEASモデルのカスタマージャーニー

AISEASモデルはユーザーの行動を

注意喚起(Attention)
興味関心(Interest)
検索  (Search)

検討  (Examination)
行動  (Action)
シェア (Share)


というパターンでとらえ、その頭文字をとったものになります。インターネットが普及している現代社会ではほとんどの行動パターンがこのモデルに当てはまるといえるでしょう。

※AISCEASと「比較:Comparison」のCが入る場合もありあます。

検索連動型広告(リスティング広告)はその名が示す通り、検索(Search)と 検討(Examination)の部分で最も効果を発揮できます。もっと厳密に言えば、「検索」のステージから次の「行動」のステージへと橋渡しをするのが、このリスティング広告の役割になります。ユーザーが興味を持ったことを、「検索」した際に、広告を活用して自社のウェブサイトへと誘導し、そこで的確な情報を提供し、納得させることで「行動」へと結びつけるのです。

一方で、潜在的なニーズに弱いということから、「注意喚起」や「興味関心」のステージではあまり効果を発揮できないことが分かるかと思います。このステージでは、自社の商品やサービスを知ってもらい興味を持ってもらうことが課題となりますが、このステージでは、ユーザー自身がまだ検索キーワードを思い至ってかいないため、検索連動型広告(リスティング広告)ではその目的を十分に達成することはできません。

検索連動型広告(リスティング広告)を活用するなら

以上のことをまとめると、検索連動型広告(リスティング広告)を活用するポイントは下記のようになります。

・AISEASモデル上の「検索」というステージで

・顕在化してニーズに対して

・ユーザーが次の「行動」を起こすための橋渡しをする

ということになります。AISEASモデルの上での「検索」ということになりますので、ある程度の市場での認知が前提になります。

新商品や新サービスなどまだ誕生して間もないものや、法人向けの商材で市場の認知度が低いような商品の場合は、リスティング広告のみで効果を追い求めるのではなく、ディスプレイ広告などを活用し、「注意」、「興味関心」のステージで見込み客のユーザー層を育ててから、リスティング広告を活用していくほうが望ましいでしょう。

⑥まとめ

いかがでしたでしょうか。検索連動型広告(リスティング広告)の活用方法がイメージできましたでしょうか。リスティング広告はインターネット広告の中でも利用されている比率が最も高く、また、顕在化したニーズの刈り取りに強いということから、万能の広告として思われている方も多いのではないでしょうか。(実は広告代理店の方でも結構いたりします・・・)

しかしながら、リスティング広告にも強みと弱みがあり、全ての商材で効果を発揮できるわけではありません。検索連動型広告(リスティング広告)の活用を考える際は、扱う商材や業界の市場での位置づけなど、マーケティング全体で捉えて考えていく必要があります。

間違った活用方法では、広告の費用対効果を悪化させてしまうことになりますので、もしも、検索連動型広告(リスティング広告)の適切な活用方法が分からない場合はご気軽にご相談いただければとおもいます。