インターネット広告を始めて運用された方ですと、その可視化された数値に驚くのではないでしょうか。広告が何回表示されて、何回クリックされて、どのくらいの目標に結び付いたのか。などなど。

インターネット広告の特徴の一つはこの可視化できる数値です。インターネット広告はデジタルの世界で配信されている広告ですので、デジタルの仕組みを利用すれば、広告が何回表示されて、何回クリックされて、どのくらいの目標に結び付いたのかというような数値は簡単に集計することが出来ます。

しかし、バナー広告などを配信するディスプレイ広告では、テレビCMや新聞広告、もしくは、検索エンジンの検索結果に広告が掲載されるリスティング広告(検索連動型広告)と違い、広告の掲載先が無数に広がり過ぎて、具体的にどこに配信(表示)されているのか分かりづらいというデメリットもあります。データ上では配信が確認できるものの、すべて目視して確認することが難しいため、不安が残ってしまうのではないでしょうか。

実際の配信先を確かめるには、プレースメントを確認する方法がありますが、今回はより細かく、プレースメントの1つ1つで発生しているインプレッションがユーザーの目に届いているのかという点を確かめるためにはどうすればいいのかをまとめています。

視認可能インプレッション》という指標について、是非参考にしていただければと思います。

【目次】

  1. ディスプレイ広告の表示の仕組み
    • ディスプレイ広告の表示(インプレッション)
  2. 視認可能インプレッションとは
    • 視認可能インプレッションに関連する指標
  3. まとめ

①ディスプレイ広告の表示の仕組み

ディスプレイ広告は、ディスプレイネットワーク上に広がる無数の広告枠に対し、アドサーバーから広告を配信する仕組みになっています。みなさんも、ブログやニュースサイトなどのウェブサイトで広告を目にすることも多いかと思いますが、戻るボタンや、更新ボタンを押すと表示されていた広告が別の広告に切り替わっていたなんてことはないでしょうか。

これは、ウェブサイト内に広告を表示させる広告枠は同じ位置に固定されていたとしても、そこに配信(表示)される広告は、その広告枠が読み込まれるたびに、アドサーバーにリクエストを出しているため、ウェブサイトに広告そのものが固定されているわけではないからです。

ディスプレイ広告はアドサーバーの仕組みを利用することで、インターネット上にある数多の広告枠に対し、広告を表示させ、それを集計できるようになっているのです。

◆ディスプレイ広告の表示(インプレッション)

広告運用の指標の一つとして用いられているインプレッションは、ブラウザ上でウェブサイトの広告枠が、アドサーバーから広告をダウンロードしてくることで計測されています。ブラウザ上でのダウンロードというのは、ユーザーに視認されているか、視認されていないかということに関係なく読み込まれているため、広告がウェブサイト上の広告枠にダウンロードされたからといって、ユーザーの目に留まったということを意味しているわけではないのです。

例えば、スクロールしなければ到達できないような位置にあるような広告であったり、読み込みが遅く、表示される前にユーザーが離脱するような場合があったとしても、広告がアドサーバーからダウンロードされれば、それは広告のインプレッションがあったと計測されてしまうということです。

ある調査では、表示される広告のうち半数近くの広告が、実際にユーザーの目に留まることなく『表示されている』と報告されています。

このような時に活用したい指標が、視認可能インプレッションです。

②視認可能インプレッションとは

Google広告で、この視認可能インプレッションを確認する場合は、「視認範囲のインプレッション」という指標で確認することが出来ます。

※Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)では、ビューインプレッションという指標で確認することが出来ます。

視認可能インプレッションでは、実際にインプレッションが発生した中で、ユーザーに視認されることが可能だったインプレッションがカウントされます。視認することが可能であったかどうかというのは、インターネット広告の規格整備などを推進している米国の団体、Interactive Advertising Bureau(IAB)の定義に基づき下記のように定義づけされています。

・ディスプレイ広告の場合は広告の50%以上が1秒以上表示される。
※242,000ピクセルを超える大型の広告の場合は30%以上
・動画広告の場合は広告の50%以上が2秒以上表示される。

この条件を満たす場合に、ユーザーは広告を目にすることが可能だったとカウントしています。

◆視認可能インプレッションに関連する指標

・視認可能率

広告が表示された回数(インプレッション)に対して、視認可能範囲のインプレッションが占める割合になります。この際、母数となる広告が表示された回数には、広告が視認可能であったかどうかを判断する技術が搭載されている、測定可能なインプレッション(アクティブビュー)が用いられています。

※この技術が搭載されていないインプレッションでは、視認可能かどうかの判断が出来ないので、母数には含みません。

【式】

視認可能率 = 視認可能範囲のインプレッション ÷ 広告の表示回数(測定可能なインプレッション)

一般的な傾向として、Google広告(GDN)では50%前後、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)では15%~40%程度となっています。

・視認範囲のクリック率

視認範囲のクリック率では、実際に見られた広告表示のうち、どのくらいの割合で広告がクリックされているのかを確認することが出来ます。通常のクリック率では、視認範囲外の広告表示もインプレッション数としてカウントしているため、母数となる表示回数が多くなってしまいますが、視認範囲のクリック率では、視認範囲にあった広告の表示のみを対象とするため、ユーザーの反応をより厳密に計測することが可能です。

③まとめ

いかがでしょうか。そのバナー広告は本当に見られているのかという疑問から、視認可能インプレッションという指標をご紹介させていただきました。

視認可能インプレッションを確認することで、実際にディスプレイ広告がどの程度ユーザーの目に留まっているのかを確認することが出来ます。

視認可能率などの指標はプレースメント単位で確認することが出来ます。視認可能率の低いサイトなどは無駄な表示(配信されたという意味の)になっている場合が多いので、そのようなプレースメントは除外設定をしていくことが望ましいでしょう。

しかし一方で、この視認可能インプレッションにはまだまだ課題もあります。なぜなら、視認可能インプレッションの数値を確認したとしても、なかなかそこを改善していくのが難しいからです。広告が視認しやすい場所にあるのかどうかという問題は、広告枠を視認しやすい場所に設置しているかどうかという、広告枠を抱えるウェブサイト側の構造の問題に起因しているところも大きいのが現状でしょう。その為、広告運用側で改善していける範囲にも限りがあります。

重要なのは、ディスプレイ広告の配信の仕組みをしっかりと理解することといえるです。仕組みを理解することで、新しいマーケティング施策の発見ができるかもしれません。